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<浮遊体アート>不思議系現代アート 新作品の制作秘話 アートコレクションシリーズも初登場


 

アートは言葉から生まれる・・・その3



そんな経験を基にして、

「記憶の捏造」という
「詩」を書いてみたのです。





        記憶の捏造                     
奥田エイメイ



なぜあなたはくらげをつくるのですか?


子供のころから海にあこがれて・・・
すきとおった素材がすきだから・・・
親父が水槽狂いだったんですよね・・・
くらげに思い入れなんてありません仕事ですから・・・


くらげ屋のわたしに
幾度も繰り返し放たれたこの問いかけに
問われた数だけ答えを産み出してきたけれど
問いかけにむけて放たれた 
色とりどりのわたしの声たちは
いまでは記憶の底の闇にすっかりとにじんで
あれも 
これも
もう見分けがつかない


おはえはほんとうにくらげなのですか?


夜更けに
くらげ抜く型を暖めていると
それはいつか正月の空に放った凧のようにも見える
そもそもわたしは 水中パラシュートの開発をしていたのだ
いやいや舞台の実験水槽を泳ぐ 古代のタコをつくろうとしていたのだ
それはたんぽぽの種のように 青い空から舞い降りてきたのだ
いや雨上がりのキノコのように かび黒い地面から生え出してきたのだ
暖かくもつれた記憶の地層から
ある夜 
無数の菌糸がしみだして花開き
わたしの水槽をいきいきと泳ぎだす


どうしてわたしはくらげをつくるのだろう?


けだるい昼寝から覚めた夕立の頃は
たまり水の記憶がわたしをさそう
父と行った海辺の潮溜まりを 逃げ遅れたタコが泳いでいる
沼でつかまえたおたまじゃくしが ひからびた水槽を抜け出していく
かび臭い実験室のビーカーを 高分子化合物の破片がゆらめいている
「水槽を洗ってから遊びに行け!」
父の声にふりかえると
たどってきた道筋はとっぷりと夕暮れて
声を出したはずの父の姿はもうどこにもなく
生まれたばかりのわたしの息子が
水槽のきらめきをのぞきこんでいる


いつしか

はるか水槽のかなたから

たどってきた道筋は夜明けをむかえ

記憶のこたえは未来と同じ

無限の可能性に満ちている





さて、
詩を書いてみると
だいぶ形が見えてくるのです。
こんなイメージです。

アートは言葉から生まれる・・・その2


ん??記憶の捏造・・・
作品の題名としてはなかなか面白いな・・・となります。

でも、それで作品の絵としてのイメージが、
どんどんと浮かんでくる!!!
わけでは・・・
残念なことに、全然ありません。

頭の中は、まだ、

カラッポ・・・

です。

そこで、
「記憶の捏造」を・・・題材とした、
文章を書くのです。


文章から形のイメージを
どうやって引き出してくればいいのか・・・

ところで、「記憶の捏造」を、制作した頃、
僕は、いろんな人から、
ある言葉・・・ある質問を、
投げかけられることが多かった、

その言葉、質問 とは・・・
「なぜ、クラゲ型のオブジェなんですか? 
(クラゲをつくろうと思ったのですか?)」
という質問でした。

問いかけに対して、
いろんな記憶をまさぐっているうちに、

クラゲオブジェの起源が、
たったひとつの記憶によって、
説明できるものではないことがわかってきた。


特にテレビや新聞のインタビューに対しては、
わかりやすい切り口で答えることを求められるので、
自分の記憶の片隅に埋もれていた、
キーワードを引っ張り出してきて
整理して、磨きをかける・・・
といった作業もすることになりました。

そうするうちに、
クラゲオブジェの起源は、
複数あることに気がついたのです。


そんな経験を基にして、
「記憶の捏造」という
「詩」を書いてみたのです。

アートは言葉から生まれる・・・その1


なんと、ここまで、
技術的な話ばかりしてしまいました。
浮遊体アートの材料は、
アートの素材として使われたことのない、
新しいものですし、
駆動させたり特殊照明を用いたりと、
表現に至る以前の技術的課題が多いので、
自然に技術的な話が増えてしまうのですが、

アートですから、
もちろん表現したいテーマがあるわけです。


表現について書きはじめると、
とめどがなくなるのですが、
できるだけ簡単に説明してみます。

僕の作品作りテーマのひとつが、
「ゼロから むりやり 産み出すこと」
つまり
「捏造」です。


ネタなんて最初からないんだから、
無理して搾り出すんです。


捏造シリーズでは、
「記憶の捏造」、「生命の捏造」といった作品を作ってきました。
そして、今回の「重力の捏造」と続きます。


例えば、
3年ほど前に制作した「記憶の捏造」は、
どうやって生まれたのかを、
思い出して書いてみます。

僕の場合は、
表現したい形というものが、
まず頭にあるわけではありません。

アートの天才なら、
表現したい形が、
パッ パッ パッ と
次々浮かんでくるのかもしれないけれど、
僕の頭の中は、
形については、何もない・・・空っぽ


カラッポ!

なんです。

だから、まず言葉からしぼりだす・・・

さいしょに、言葉ありきです。


手順としては、
こうです。

自分の感覚に引っかかってくる
普段、収集しておいた気になる単語・・・
時間、記憶、光、生命、重力・・・
といった単語を
テーマである「捏造」にくっつけてながめていきます。


時間の捏造
記憶の捏造
光の捏造
生命の捏造
重力の捏造



といった風に。

ん??記憶の捏造・・・

作品の題名としてはなかなか面白いな・・・となります。 





絵の具やキャンバスをつくることから その3


浮遊体アートの動きの命は、
駆動装置です。

この駆動装置、
不思議な動きを生み出す割に、
装置そのものは、
一見むちゃくちゃ簡単そのもの!!

でも、いい動きを生み出すためには、
これまた意外と時間をかけて、
水流装置を調整かけていく必要があるのです。

水の流れというのは、まことに予測が難しい・・・
物理的には、
月に宇宙船を着陸させるための軌道計算をするよりも、
今、目の前をこぼれていく、牛乳の流れだとか、
タバコの煙の行く先を予想する方が、
はるかに難しいとのこと。

僕が以前の会社に勤めていた頃は、
ワークステーションの前に座り、
コンピューターで流体解析をしていましたが、
今はそんな贅沢な環境はありません。

基本的に、試作をしては、
考えられる、様々な調整を繰り返す
トライ アンド エラー マシーンの
T君にがんばってもらうことになります。


冬に近づく、寒い時期ですが・・・
T君には肩まで水につけて、
配管装置の調整をしていただきます。
とにかくトライ アンド エラーの繰り返しです。

この開発は、
LEDみたいに、高価な部品がないのが救い!

Tクン、君の人件費だけですから、
思う存分
トライ アンド エラー してくれたまえ!!

風邪ひかないようにね!!


開発のポイントは、
シンプル イズ ベスト!


たとえ浮遊体アートでいい動きが出せていても、
難しいやり方で、複雑な配管で、
あれこれやりまくって、
動いているのなら、
いったんやり直して、
シンプルな答えを探しなおしです。

後で再現できないような、
複雑な答えは、答えではない!

シンプルな答えが出せているか?

へ? こんな、アホな、仕組みで動いてるの???

アホか!と人に言われるくらい、簡単な仕組みを考え出す頭が、
最も賢いのです。


さて、Tさんには、この額縁型水槽のアイデア段階から、
ずっと関わってもらってきています。

アイデアから設計
試作品の手直しから、
照明、駆動装置の調整まで、
何から何までとことんやってもらいます。

この額縁型水槽の基本概念を、
徹底的に頭と体に染み込ませ、
この仕事は俺がやった!!
と、自信を持って言えるようになってもらいたい!!

それにしても・・・

なんで夏の暑い時期に、LEDのハンダ付けやねーーーん

そんで、なんで、冬の寒い時期に、水中作業やねーーーん


T君よ・・・
大将の段取りが悪いと、
スタッフに無駄な苦痛を味あわせることになる、
そのことも、よく覚えておいてくれたまえ・・・



制作は!
段取り一番!!






絵の具やキャンバスをつくることから その2


さて、薄く設計しないといけない
額縁型水槽の照明システムですが・・・

薄くしないといけない割には、
果たすべき役割が多いのです・・・

(1) 浮遊体アートを発光させる近紫外線のライト
(2) 水槽内の明るさを増すためのブルー系のライト
(3) 水槽の背面から背板のステンドグラスを照らすホワイト系のライト

照らす方向も違えば、向きも違う
この3種類のライトを、
限られた空間に押し込めないといけません


薄型化なら、やはり
流行のLED(発光ダイオード)でしょう!!!
と、いうことで、

近紫外発光LED、白色LEDと、
やまほどLEDを買い込んで、
連日Tさんに、
ハンダゴテ振り回してもらい、
LEDの照明試作機つくりました。

去年の夏の暑い時期のことでした。

でも評価の結果は、
かなり暗い・・・

なんかぱっとしない・・・

LEDは日進月歩で
明るい素子が出てきているのですが、
まだまだ蛍光灯には
明るさの面で及んでいません・・・
発熱も少なく薄くもできるところは、
ほんと、いいのですが。

「ん、今回は、LEDあきらめよ!!」

と、僕。
想芸館で開発したものでなく、
買ってきたもので組み立てる以上、
基本性能出せなかったら、
いくらあがいても無理です。

LED技術が進んで、
明るい素子が出てきた頃を見計らって
再トライすることになるでしょう。

Tさん・・・試作の山を前に、
ハンダゴテ手にして呆然・・・
お、俺の、ひと夏の苦労が・・・
お、俺の、月給よりも、はるかに高価な
LEDの試作機が・・・・

その後、蛍光管に切り替えて、
開発続行!!

その結果は、
うーん・・・
まだ答えは出ていません・・・

今夜もTさんの照明修行は続く・・・

それにしても、照明奥が深いよなーーー

絵の具やキャンバスをつくることから その1


重力の捏造の技術的ポイントはまだまだあります。

今回、額縁型水槽をはじめて試作してみたのです。
額のなかで「動く不思議な絵? 彫刻?」にする・・・
というのがコンセプト。

うまくいけば、浮遊体アートの表現力を発揮できる
強力な可能性を秘めたキャンバスになるはずです。
でも詰めていかなくてはいけない課題がまだまだたくさん・・・

浮遊体アートについては、
素材の開発もゼロからはじめてきたのですが、
なかに入れる水槽の開発もゼロからの出発でした。

いわば原始人が草の実をつぶして、
絵の具にしてみたり、
描きやすい岸壁をさがして、
キャンパスの原型を作ってきたようなことを
しているわけです。


さて、額縁型水槽の原案ですが、こんな感じです。



この原案から作り出していくのに重要な点は、
額縁水槽の額の部分をいかに薄くすることができるのか?
です。

分厚くデザインするのは、簡単で、すぐやれますが、
薄くデザインするのはとても難しい。

なぜかというと、

浮遊体アートには、直接見せるのを避けたほうがいい、
二つの避けられない要素があり、
その要素の隠し場所に、
額の幅を使いたいのです。

その二つとは、
「照明装置」と「浮遊体アート駆動装置」。

額の部分に、これら二つを仕込んでしまうのですが、
(あえて、見せてしまう・・・という筋で考えることもありますが・・・普通は見せない)

えーかげんに設計すると、
とんでもなく分厚い額になってしまい、
まことにカッコ悪いのです。


この2つの装置をいかに薄くするのかがポイントです。

どうすれば、いい感じで動く薄いコンパクトな水流システムが汲めるのか、
どうすれば、表現力豊かで、しかも薄いコンパクトな照明システムが組めるのか、

この課題に対しては、もう2年くらい前から取り組んできています。

額縁型水槽つくりの制作の担当は
建築系出身のTさんと芸大出身のSさん。

二人でなかよくやってもらっていましたが、

数ヶ月前、なんと・・・
浮遊FACTORYへの出勤途中に、
Sさんがバイク事故に!!!

危うく浮遊体アート殉職者を出すところでした・・・

Sさんがバイク事故で入院して以来、
僕からのプレッシャーが、
Tさん一人にかかることになり、

なんだか、Tさん
日に日にやつれてきているような・・・

でも彼は将来デザイン系の事務所を構えたいという
夢をもっているので、

彼のためを思って、
容赦なくしごいています。


もしかして・・・
僕のストレス発散もかねてる???のかも

デジタルデータなのにアナログ? その3


では、どうするか・・・
東京から帰ってから、考え込んでしまいました。

(1)現状維持のまま、ずるずると・・・データをねだりつつ・・・発注している間に、技術の育つ糸口つかめるかも???
(2)深さ制御ができれば広がる用途を他にも探してきて、なんとかその気になってもらえないか???
(3)開発費用をこちらで負担して、なんとかやってもらう・・・青天井だろうな・・・
(4)どこか別会社で、面白がって、開発費用関係なしに、のめりこんでくれるような、酔狂な社長さん、探すかー???
(5)いっそのこと、うちで開発するか!!!・・・儲けて新工房作って、設備を買うか!

結局は自分のところでやるしかない!!!・・・
そうだ・・・うちで開発するか!!!


一人でもりあがって、考えている横で、
スタッフのOさんが、
しこしこと詳しいデータシートのフォーマットを作ってくれています。

「しつこく発注書にデータシートつけとけば、
そのうち出てくるかも」


粘り強く対応してくれるスタッフがいると、
未来に希望が持てます・・・

それにしても・・・

型づくりから悩んでしまっていますが・・・
本題の課題は、どうやってこのぐにゃぐにゃ、ぐじゅぐじゅの材料に、
細密な模様を転写するのか???
というところにあるのです。


でも、それは、制作のマル秘部分。
Oさんの奮闘は、
想芸館の極秘重要機密事項なのです。


複雑にからみあった課題ですが・・・
残念ながらここには書くことができません・・・

前途多難!

苦あれば楽あり!!
と思いたい・・・





デジタルデータなのにアナログ? その2


「型作製時の詳細データをおしえてください!!!」
とお願いしても、
なんだかデータが出てこないのです。

どうしようもないので、
今回は東京の会社に、
発注先を変えて再トライすることになりました。

今度こそは深さと相関のあるデータをとらないことには!!!
細密模様担当のOさんと
東京の会社に乗り込みました。
会社では技術のキーマンと
会うことができたのですが、

「データを!!!」
とお願いすると・・・
「うーん・・・」
と、やはり渋い返事が返ってきます。

いろいろ話をお伺いしているうちに、
なぜデータが出ないかの理由が、
だんだんと飲み込めてきました。

この版の主要な用途が、
版の面だけを用いるという用途だったのです。
深さは、どんな深さに彫れていようが、
どうでもよいのです。
出たとこ勝負でよいので、
深さを制御する技術が、
育っているはずがありません・・・。


なるほどね・・・

と、納得している場合ではありません!

「もし、深さ制御ができたら・・・
ほら、3DCADの新技術になりますよ・・・
例えば、平面地図から、
でこぼこの3D地図模型ができるような
技術に育ちますよ・・・」
「ふーん、地図ねえ・・・」
「そこをなんとか・・・技術を育てていきましょうよ!!!」
と、こちらも食い下がるのですが、
「うーん・・・」
と、やはり渋い返事・・・

用途の限られる試作には、
そこまで突っ込んで開発に協力しにくい・・・
ということなのです。


会社の論理としては、
よほどの用途が期待できないと、
莫大な開発費用を出す決断はできない・・・
僕もそのあたりの事情は、
よくわかる・・・だけに、
つらい・・・

では、どうしたら、いいの???

東京から帰ってから、
考え込んでしまいました。





デジタルデータなのにアナログ? その1


今回、新たに試してみる
新表現方法です。

このぐにゃぐにゃ、ぐじゅぐじゅの材料に、
細密な模様を掘り込むことはできるのか???


細密な模様を
デジタルデータに起こして、
転写するという方法に挑戦します!!!


といっても、
うまくいくかどうかわからないので、
作品の中で最も目立たない部分での、
控えめデビューです。

キノコオブジェの植わっている土台の部分に、
こんな重力線図を掘り込んでみたい。



なんじゃ、これは???
アリ地獄のすべりやすさを、
示すような線と考えていただけたら・・・

よく・・・わからんですね??

でも、うまくいったら、
こんな目立たないところにまで、
こんな刺青細工が・・・
という感動もの?

さて、転写するための型は、
ある特殊な型を作る会社に外注します。

型からぐにゃぐにゃ材料への転写は、
もちろん我々のところでやるのですが・・・
で、もって、こちらの話はマル秘なので、
外注部分のやりとりの話を・・・

この技術開発は、
浮遊Factory の古株の
Oさんの担当です。
ぐにゃぐにゃ材料の
「基礎物性を探りながら、
材料の表現力の極限に挑む・・・」
という挑戦を続けてもらっています。

アートというよりも、
物理化学の技術屋さん的な仕事・・・


元々は感性豊かな
芸大出身の彼女ですが、
論理脳的筋肉強化修行に
励んでもらっています。

さて型つくりの難点ですが、
図形の彫りの深さが不確定というところにあります。
以前、試作をお願いしていた会社では、

「この線は、0.5mmの深さにしてください!!!」

とお願いしていても、
試作を繰り返すたびに、
違う深さのものがあがってくる・・・。

彫りの深さは、色の濃さにダイレクトに効いてくるので、
とても大事なのですが・・・
「型作製時の詳細データをおしえてください!!!」
とお願いしても、
なんだかデータが出てこないのです。




色が・・・出ないのです・・・

はじめて照明テストをしました。
上向きオブジェのオレンジ色は、
きれいに出るのですが
下向きオブジェにのせている緑色が、
どうもくすんでしまいます。
今回はブラックライトを使って、
色素を発光させる表現方法でいくのですが、
発光タイプの場合、
どうも緑や青系の色素の存在感が弱い気がします。

うーん・・・病み上がりの幽霊の顔色・・・って感じ・・・

では、発光強度の強い黄色を混ぜて元気出すか!!

「緑に黄色を段階的に混ぜて、
10パターンほど色見本、作ってもらえます???」


試作担当のYさんにお願いしました。

え???
10パターンで、ほんとにええんですか??
後から、試作、倍に増えませんか????


倍だったらまだいいですけど・・・
10倍になりませんか?????


Yさんが言っているのではなく、、、
僕の自問自答です・・・


黄色については、
去年の浮遊体アート展「育黄」で、
かなりデータを取っているので、
そのときの経験が使えればいいのですが・・・

浮遊体アート展「育黄」では、
「苔むした緑色」から、
「若々しい輝く黄色」へと、
生まれ変わっていく黄という「色」、
そして黄という「文字の形」が、
どう変化、成長していくかという内容に取り組みました。

この書き方では、よくわかりませんよね・・・

では、漫画で・・・






うーん、絵で見ても、
よくわからんな・・・





黄の字が成長し、
微妙に色を変えながら、
生えていくのですが、
写真もよくわからん・・・

つまり、言いたかったことは、
黄色のバリエーションを作るために、
様々な顔料を混ぜていき、
試験ピースを山ほど作って、
評価していったのだということ・・・

今回の「重力の捏造」でも、
オレンジの色に負けない、
光る緑色を作りたいのですが、
これもなかなかの難題です。

「Yさーん、ごめーん
やっぱりさ、緑に黄+ホワイト混ぜて、
20パターンほど、
試作追加しといてくださーい!!!」



え???

Yさんの修行の日々は続く・・・

こけてしまうのです その2



さて、こけたら、どうするか?

ここからが考えどころです。



a キノコオブジェの根本の土台部分の適当な場所に浮きをつけ、バランスを取りながら設置していく
b 土台の端部を上からテグスでつりあげる
c 土台を背面のガラスに接着して支持する
d 土台に孔あけて下から立てたアクリル棒の支柱で支持する


方法はいろいろあります。
それぞれに長所と短所があります。
アイデア自体は誰でも、
ある程度の数を思いつくものですが、

制作のセンスの分かれ目は・・・。

どの方法を選択するのか?
どの方法を先に、どんな具合に進めるのか・・・


というところにあるように思います。

とは、いうものの、
やっぱり、ちょっと試してみて、
様子を見てみないことには、
なかなか方針が定まりません。

方針コロコロ変えないでくださいよぉ・・・
ぴしっと決めてくださいよぉ・・・
ぴしっと・・・ 


スタッフYさんは、
僕の指示に対して
絶対に文句言わないのですが、

背中から無言の圧力波が・・・

ぴしっと方針決めないといけませんよぉ・・・
ぴしっと・・・


確かに僕が迷っていては、
彼女の仕事が煩雑に増えるばかりです。

横には、没 になった、試作の山が・・・

ちなみに僕の選択の条件は・・・

1. 難易度高いが、最も理想の仕上げに近い方法を選択する。
(この方法にまずアタックをかけておく)
2. 理想の仕上がりからは多少外れているかもしれないけれど、一番実現できる可能性の高い方法を選択する。
(1の方法と平行して進めておく)


という具合に進めることが多いです。

競馬で大穴と本命を両方買っておく方法です。
ただし、大穴をかなり多めに・・・


1はこの場合a、2はこの場合bの方法と判断しました。

判断もセンスと経験の分かれ目になるでしょう。

さて、そんなわけで、aの方法からテストすることになったのですが、
これは相当難しそうです。


いわば、これは水中モビールなのです。

空中のモビールは重さのバランスをとりながら、
重心を探っていく作業になるのですが、
水中モビールだと、
浮きもありますから、
いわばモビールに、
風船と重りををつけながら
バランスを探っていく


・・・という作業になるのです。




こけてしまうのです  その1

スカート制作の進行状況ですが、難航しています。
浮きを付けすぎると、やはりすぼんでしまうので、
スカート中心部に樹脂を、ちょっと厚めに付けてみるといることをやってみました。

まあスカートにコルセットを入れて、
形状を保持したといったところです。
これから、この樹脂の厚さと浮きの場所や位置を調節してことになります。

スタッフYさんの修行は続く・・・

ところで
オブジェの要素を組み合わせて、ざっくりと全体を構成してみたのですが・・・
まったく形が保持できないということがわかってしまいました。

こんなものを作りたいのだけれど・・・





こんな風に、こけてしまうのです!!!





なんとも格好悪い・・・

重力と浮力のバランスが、とれていないと「こける」だろう・・・
というのは想定の範囲内ではあったのですが・・・

あわよくば、なんとかなるか???という甘い期待はありました。

あっさり裏切られてしまいました・・・

さて、こけたら、どうするか?

ここからが考えどころです。






スカートがめくれないように

今回の作品は
捏造シリーズの第3弾
「重力の捏造」・・・

同じ形のオブジェが
なぜか上方向と下方向に生えて
ゆらゆらゆれる。

見ているうちに、
だんだんと重力感が混乱してしまい・・・

なんだか逆立ちしたくなる・・・

あなたも逆立ちしたくなる・・・


そんな作品にしたいと思っています。




このキノコ型オブジェを上下さかさまにして、
水槽内でうまく共存できるようにしたいのです。

実はこれが相当難しい!

たとえばスカートをはいた女の子を
上下さかさまに逆立ちさせるとどうなるか?


スカートがめくれてしまいますよね




画像だとこんな風にさかさまにしても、
別にめくれてしまいはしないんですけど。
実際に重力のあるリアルな世界で、
めくれないようにするには
いろんな工夫がいるんです。

そこで・・・
女の子のスカートのすそに浮きをつけ、
頭におもりをつけてぶら下げる・・・


そういう過酷な方法を思いつきました。

でも・・・

浮きをつけすぎると
スカートはしぼんでしまうし、
頭におもりをつけすぎると、
体がのびきってしまう。

浮きやおもりをつけているとは
気付かせない方法で、
自然に心地よく
ひっくり返って
たゆやうオブジェを作る・・・

これが今回の作品の技術的ポイントです。

気持ちよく揺れる
浮きの個数やつけるポイント、
おもりの重さをの調節を、
スタッフのYさんに繰り返しトライ&エラーしていただきます・・・

気持ちよくなるためには、過酷な修行が必要です・・・

Yさんに修行しておいてもらっている間、
僕は今日も
新オブジェ制作資金を稼ぐため、

作品販売の行商に行ってきます!!